先に結論。飛ばれた女の子の撮影済み動画は、出すな。返金は、ほぼ返ってこない。この2つを前提に、被害を最小にする動き方と、次に飛ばれないための設計をまとめます。
4年で約70名をプロデュースしてきたが、最後まで円満に続いた子の方が少数派だ。ある日突然LINEが既読にならなくなる、Xの垢が消えている、次の撮影日にホテルに来ない。この業界で「飛ぶ」は例外イベントではなく、運用コストに最初から織り込むべき固定費に近い。だからこの記事は精神論を書かない。飛ばれた瞬間から何をして、何をしてはいけないかだけを書く。
飛ぶタイミングはだいたい3つに集中している
70名見てきて、連絡が途絶えるタイミングには明確な偏りがあった。1つ目は初撮影の直後。撮ってみて「思ってたのと違う」となるケースで、これが一番多い。2つ目は初回入金の直前だ。myfansの振込は締めから約2ヶ月後、毎月5日なので、開設から最初の入金まで最長で2ヶ月半の空白がある。この間は本人の手元に1円も入らないのに投稿と撮影だけが続くから、モチベーションが折れやすい。3つ目は彼氏や親にバレた時で、これは本人の意思と関係なく強制終了する。バレ案件の実例と防ぎ方はこちらにまとめてある。
つまり飛ぶのは「気まぐれ」ではなく、構造的に折れやすいポイントで折れている。ここを理解しているかどうかで、後述の予防策の精度が変わる。
撮影済み動画は出せるのか。出せない。
一番聞かれる質問なので、はっきり書く。本人と連絡が取れない状態で撮影済み動画を公開するのは、やめておけ。「撮影に同意してたんだから出していいだろ」という理屈は、法的にはもう通らない。
理由は主に2つある。1つはAV新法(AV出演被害防止・救済法)だ。2022年施行のこの法律は、いわゆるメーカー作品だけでなく、個人制作の性行為映像も対象になり得る。契約書面の交付義務、撮影終了から4ヶ月間の公表禁止期間、そして公表から1年間は出演者が無条件で契約を解除して公表の差止め・削除を求められる。つまり撮影時に同意があっても、本人はいつでも「やっぱりやめる」と言える設計になっている。連絡が取れない=同意が継続しているかを確認できない状態で公開するのは、この法律の趣旨に真正面から突っ込む行為だ。新法と個人配信の関係はこちらで詳しく書いた。
もう1つはリベンジポルノ防止法(私事性的画像記録の提供等の処罰に関する法律)で、こちらは刑事罰がある。本人の同意なく性的な画像・動画を公表すれば、3年以下の拘禁刑の対象になり得る。「販売目的だった」「本人も了承していたはず」は通用しない。公表時点の同意が立証できなければアウト側に倒れる。
損得で考えても割に合わない。飛んだ子の動画1本で得られる売上はせいぜい数万〜数十万円。一方で、後から本人が弁護士を立てて出てきた場合、削除対応、損害賠償、最悪は刑事案件で、垢ごと事業が終わる。撮影費用が惜しい気持ちは痛いほど分かるが、その動画は「損切り済みの在庫」として封印するのが正解だ。既に公開中の動画についても、本人から削除要請が来たら争わず下げる。ここで粘って得したプロデューサーを、僕は1人も見たことがない。
返金・回収はどうなるのか
前払いしたギャラ、ホテル代、機材や衣装代。法律上は、約束した稼働をしていないなら返還請求や損害賠償請求は可能だ。60万円以下なら少額訴訟という制度もあり、1日で判決まで出る。理屈の上では、だ。
現実には、回収はほぼ無理だと思っておいた方がいい。理由は単純で、多くのプロデューサーは女の子の本名・住所を把握していないからだ。X垢とLINEだけの関係で始めたケースでは、訴える相手を特定する時点で詰む。仮に特定できても、訴訟コストと回収額が見合わない金額帯がほとんどだ。僕自身、初期の頃に前払いギャラと撮影経費で合計30万円ほど飛ばされたことがあるが、追いかけるのをやめた。その時間で次の子を立ち上げた方が早いと判断したし、今でもその判断は正しかったと思っている。
回収に動くとしたら、金額が大きく、かつ本人確認書類を撮影時に取得済みの場合だけだ。myfansの出演には本人確認が必須なので、運営としてまともにやっていれば身分証情報は手元にあるはず。逆に言えば、身分証も取らずに前払いしていたなら、それは投資ではなくお布施だったということになる。
飛ばれた直後の72時間でやること
まず、やってはいけないことから。感情的なLINEやDMの連投だ。「金返せ」「動画出すぞ」の類を送った瞬間、あなたが脅迫・強要の加害者側に回る。特に「出すぞ」は、実行しなくても脅迫罪が成立し得る。頭に血が上っている自覚がある時こそ、送信ボタンから手を離せ。
その上でやることは4つ。1つ、共同管理しているmyfans垢と集客用X垢の状態確認。本人がログインできる状態なら、売上の出金設定や投稿が本人側で変更される可能性があるので、管理体制を確認する。2つ、購読中のファンへの対応方針を決める。更新が止まる旨を告知するか、静かにプランを停止するか。無言で放置して課金だけ続くのが一番クレームと通報を生む。3つ、やり取りの証拠保全。LINEのトーク履歴、支払い記録、合意内容のスクショを全部残す。後から本人側が「無理やりやらされた」と主張してくるケースは実在するので、これは攻めではなく守りの証拠だ。4つ、48時間は連絡を1本だけ入れて待つ。体調不良や家族の事情で数日消えて戻ってくる子も一定数いる。即座に切り捨てた結果、戻る場所を失って本当に飛んだ、というパターンは僕もやらかした。
次に飛ばれないための設計
飛ばれてから読んでいる人が多いと思うので最後に書くが、本質はここだ。飛ぶ子は飛ぶ前にサインを出している。返信速度が落ちる、撮影日の再調整が増える、売上の話を避ける。辞めていく子の共通点はこちらに書いた通りで、初動の観察でかなり読める。
設計面では3つ。契約と本人確認を最初にやる。書面(LINEのやり取りでも最低限の効力はあるが、できれば同意書)で、報酬配分、公開範囲、辞める時の手順を残す。これは女の子を縛るためではなく、お互いの「言った言わない」を消すためで、まともな子ほど書面がある方が安心して続けてくれる。次に、支払いサイクルを空白期に合わせる。初回入金までの2ヶ月半、完全無報酬で走らせるのは設計ミスだ。少額でも撮影ごとに払うか、初月だけ固定を出すかで、飛ぶ率は体感でかなり変わる。最後に、連絡の頻度をルール化する。「週1で状況共有」と決めておけば、途絶えた時に異常を2〜3日で検知できる。
ゼロから運営を立ち上げる全体の流れはこちらにまとめてあるので、体制を作り直すならそっちから読み直してほしい。
飛ばれるのは、あなたのプロデュース能力が低いからではない。この商売の構造上、一定確率で必ず起きる。だから大事なのは飛ばれないことではなく、飛ばれた時に法的な地雷を踏まず、損失を固定費として処理して、次の子の立ち上げに戻ることだ。動画は出さない、金は追わない、証拠は残す。この3つだけ覚えて帰ってくれればいい。
なお、運営を畳む・縮小する時に、育てた集客用のSNSアカウントをそのまま消すのはもったいない。フォロワーの付いた垢はアカバイで売却できるので、撤退時の回収手段として頭の片隅に置いておいてほしい。運営相談やこのサイトへの掲載依頼はこちらからどうぞ。





