この記事の要約
myfansで得た収入は、手数料を引かれた後に振り込まれても税引き前のお金として扱う必要があります。確定申告の要否、経費、住民税、無申告リスクは、早い段階で整理しておくべきです。
この記事では、いくらから申告が必要か、経費にできるもの、普通徴収、白色・青色申告、税理士へ相談すべきタイミングを整理します。最終判断は税務署や税理士に確認してください。
手数料の記事で「振り込まれた金額は税引き前です」と書きました。この記事はその続き、つまりmyfansで稼いだお金と税金の話です。先に言っておくと、この分野は「知らなかった」が一番高くつきます。稼ぎ方のミスは取り返せますが、税金のミスは数年後に延滞税という利息付きで請求が来る。実際に無申告を放置してどうなったか、僕が見てきたケースも後半で書きます。
僕は税理士ではないので、この記事は70名のクリエイターの実務に立ち会ってきた現場側の整理です。個別の判断は最終的に税理士か税務署に確認してください。ただ、「何を確認すべきかすら分からない」状態と、「論点が分かった上で専門家に聞く」状態には天と地の差があるので、その地図としては役に立つはずです。
いくらから確定申告が必要か。あなたの立場で線が違う
まず大前提として、税金の計算は「収入」ではなく「所得」で考えます。所得=売上−経費。myfansの管理画面に出る売上そのものではなく、そこから経費を引いた残りが判定の対象です。
その上で、確定申告が必要になるラインは立場で変わります。
会社員・アルバイトなど、給与をもらいながら副業でやっている人。myfans側の所得が年20万円を超えたら所得税の確定申告が必要です。月2万円ペースで超えるラインなので、真面目にやっていれば初年度から普通に到達します。そして見落とされがちな重要ポイントですが、20万円以下でも住民税の申告は必要です。「20万以下だから何もしなくていい」は間違いで、これを放置すると後述の副業バレの火種にもなります。
専業の人(学生・主婦・無職を含む)。所得が基礎控除を超えたら申告が必要です。基礎控除は税制改正で従来の48万円から58万円に引き上げられました(所得が低い層には時限的な上乗せ特例もあります)。ざっくり、専業なら所得58万円が申告ラインと覚えてください。
親や配偶者の扶養に入っている人。申告義務とは別に、扶養の壁があります。所得が一定額を超えると親や配偶者の税負担が増え、さらに年収130万円前後を超えると社会保険の扶養からも外れます。「親にバレたくない学生」がここで事故るケースは本当に多い。扶養の判定はあなたの申告の有無と関係なく所得の事実で決まるので、隠しても回避できません。稼ぐと決めたら、扶養から外れる前提で家族との話を設計するのが結局一番安全です。

経費にできるもの一覧。myfans運用のリアルな科目
経費は「その売上を上げるために直接かかった費用」です。myfansクリエイターの実務でよく出てくるものを挙げます。
撮影機材: カメラ、スマホ(事業使用分の按分)、照明、三脚、マイク。10万円以上の機材は減価償却の対象
衣装・小道具: 撮影用のランジェリー、コスプレ、シチュエーション用の小物。私服との兼用は按分か否認のリスクあり
場所代: 撮影用のホテル、レンタルスタジオ、レンタルスペース
家賃・光熱費の按分: 自宅の一室を撮影・編集に使っているなら、面積や使用時間で按分した分
通信費: スマホ代・回線代の事業使用分
編集環境: 動画編集ソフトのサブスク、PC(按分)、外注した編集費
プラットフォーム手数料: myfansの手数料17.5%(または12.5%)。売上を総額で収入計上し、手数料を経費に落とすのが基本形です
コラボ関連: 出演者への謝礼、撮影に伴う交通費・飲食費(事業関連性の説明がつくもの)
情報収集・打ち合わせ: 業界研究のための他クリエイターへの課金も、事業関連性を説明できれば計上余地があります
注意が要るのはメイク・ネイル・美容系です。「商品である自分への投資」という理屈は現場感覚では正しいんですが、税務上はプライベートとの区別が付きにくく、否認されやすい代表格でもあります。撮影直前のヘアメイクのように紐付けが明確なものに絞る、全額ではなく按分する、といった守り方が現実的です。ここは税理士と相談して自分なりの基準を作ってください。
それから、経費で落とすには証拠が要ります。領収書・レシート・クレカ明細を残す。これだけは今日から始めてください。会計アプリ(freeeやマネーフォワード)に口座とカードを連携させておけば、記帳の8割は自動化できます。
副業バレの正体は住民税。防ぎ方は「普通徴収」
「会社にバレませんか」という質問には、仕組みで答えます。会社に副業が知られる最大のルートは、同僚の密告でも税務署からの連絡でもなく、住民税です。何もしないと、副業分を合算した住民税額が会社経由の天引き(特別徴収)に反映され、経理が「この給与にしては住民税が高い」と気づく。これがバレの正体です。
防ぎ方は1つで、確定申告書の第二表にある住民税の徴収方法の欄で**「自分で納付」(普通徴収)に○を付ける**こと。これで副業分の住民税の納付書が自宅に届き、会社の天引きと分離されます。自治体によって運用に差があるので、申告後に市区町村へ「普通徴収になっているか」を電話で確認しておくと確実です。逆に言うと、無申告はこの制御すらできない状態なので、「バレたくないから申告しない」は完全に逆効果です。
無申告の子がどうなったか。実例を書く
うちに相談に来た子で、myfansを3年やって一度も申告していなかった子がいました。年間の所得はだいたい200万円前後。「振込は個人口座だし、水商売みたいなものだからバレない」と思っていたそうです。ある日、税務署から「お尋ね」の文書が届きました。
結末だけ書くと、3年分の所得税・住民税の本税に加えて、無申告加算税と延滞税が上乗せされ、納付額は本来納めるべきだった額の1.2〜1.3倍になりました。しかも過去の経費のレシートをほとんど捨てていたので、認められる経費が少なく、所得が実態より大きく計算されるダブルパンチ。貯金では足りず、分割納付の相談をすることになりました。これでもまだ軽い方で、意図的な所得隠しと認定されれば重加算税(最大40%)まであります。
「なぜバレたのか」と思うかもしれません。税務署には取引の照会権限があり、プラットフォームへの情報照会も銀行口座の入金履歴の確認もできます。近年はネット取引・配信者・ギグワーカーへの調査が明確に強化されている領域で、毎月同じサービス名義から定期的な振込がある口座は、調査する側から見れば分かりやすさの極みです。無申告は「バレるかどうか」ではなく「いつ着手されるか」の問題だと思ってください。しかも無申告の期間が長いほど、発覚時のダメージは複利で増えます。
白色か青色か、税理士は必要か
申告すると決めたら、次の分岐です。
副業で始めたばかりなら、まずは雑所得での白色申告が現実的です。帳簿の要件が軽く、会計アプリがあれば自力で完結します。売上が伸びて継続的な事業と言える規模になったら、開業届+青色申告を検討してください。青色申告特別控除(最大65万円)や赤字の繰越など、節税メリットがはっきり出ます。どちらに該当するかは規模と記帳の実態で決まる部分なので、月10万を安定して超えたあたりが検討タイミングの目安です。
税理士については、僕の答えはこうです。月商30万円くらいまでは会計アプリでセルフ、それ以上は業界に理解のある税理士。費用は申告のみのスポットで10万円前後から、記帳込みの顧問で月1〜3万円が相場感です。月100万クラスになると、節税の設計・経費の線引き・消費税(売上1,000万円超で2年後から課税事業者)・法人化の判断と、素人が独学で戦う領域を超えます。このレベルの税理士費用は経費で落ちる上に、だいたい費用以上の節税と安心を回収できます。1つだけ選び方のコツを言うと、面談で「アダルト系の配信収入です」と最初に伝えてください。業種を隠して契約すると後で必ず気まずくなりますし、この業界の顧客を持っている税理士は経費の相場観がまるで違います。
まとめ。今日やること3つ
長くなったので、行動だけ絞ります。①会計アプリに口座とカードを連携して、今月から記録を始める。②今年の所得が申告ラインを超えそうか概算する(副業20万・専業58万)。③超えるなら、来年の申告期(2月16日〜3月15日)を今からカレンダーに入れ、副業の人は普通徴収の○を忘れないこと。 過去に無申告の年がある人は、税務署から連絡が来る前に自主的に期限後申告をすれば加算税が軽くなります。放置だけはしないでください。
税金は、稼ぎが大きくなるほど「守り」の主戦場になります。月100万を狙うフェーズの子には攻めと同じ熱量で守りを固めろと伸ばし方の設計図でも書きましたが、その守りの一丁目一番地がここです。手取りの計算の前提になる手数料の話はこちら、開業前の届出まわりは始め方の初期設計マニュアルにまとめてあります。
自分のケースで申告が必要かどうか分からない方、無申告の年があって不安な方、扶養や副業バレの設計で悩んでいる方は、お問い合わせから状況を送ってください。僕自身は税理士ではありませんが、論点の整理と、この業界に慣れた専門家への繋ぎ方まで含めて答えられます。
よくある質問
Q. myfans収入はいくらから確定申告が必要ですか?
A. 会社員の副業か、個人事業か、扶養内かなどで判断が変わります。所得税の20万円ルールだけで決めず、住民税の申告も含めて税務署や自治体、税理士に確認してください。
Q. myfansの経費にできるものは何ですか?
A. 撮影機材、照明、衣装、編集ソフト、通信費の一部など、事業に必要な支出が候補になります。ただし私用との按分や証拠保存が必要なため、領収書と用途の記録を残してください。
Q. 会社に副業が知られる原因は税金ですか?
A. 住民税がきっかけになることはありますが、それだけではありません。SNS、知人、投稿内容から知られる可能性もあります。税務面では普通徴収の可否を自治体に確認してください。
Q. 無申告のままだとどうなりますか?
A. 後から税金、延滞税、加算税などが発生する可能性があります。金額や年数によって対応が変わるため、不安がある場合は放置せず税理士や税務署に相談してください。
Q. 税理士は必要ですか?
A. 売上が大きい、扶養や副業バレが不安、経費判断が難しい、過去に無申告がある場合は相談する価値があります。自分で判断しきれない部分だけでも専門家に確認すると安全です。





