この記事の要約
myfansのモザイクには、何ピクセル以上なら必ず安全という一律の数値基準があるわけではありません。法律、プラットフォーム審査、業界慣行を踏まえて、実務上の安全側で判断する必要があります。
この記事では、薄すぎる修正、一瞬だけ外れる事故、FC2感覚の転用が危険な理由を整理します。判断に迷う場合は、公開前に公式ルールや専門家の確認を挟む前提で考えてください。
「モザイクの濃さって、何ピクセル以上なら合法とか、数値の基準はどこに書いてあるんですか?」。実によく聞かれる質問で、答えを先に言うと、そんな数値は法律のどこにも書いてありません。じゃあ基準は存在しないのかというと、それも違う。基準は「一枚の条文」ではなく、法律・業界慣行・プラットフォーム審査という3つの層の重なりとして実務上存在していて、この構造を理解していない人が、悪気なく違法の側に落ちます。
特に危ないのが、FC2など「修正の甘い文化圏」から来た人です。約70名をプロデュースしてきた中でも、モザイク感覚のズレは移籍組に集中していました。この記事では、基準がどこにあってどう決まっているのか、審査に落ちる修正と通る修正の境界線、そしてFC2感覚のまま消えていく人の共通点まで、全部書きます。入れ方の手順そのものはモザイクの入れ方 完全版に書いたので、この記事は「どこまでやれば足りるのか」の判断基準編です。
基準は3層構造。法律→業界慣行→プラットフォーム審査
第1層、法律。 根拠は刑法175条(わいせつ物頒布等罪)ですが、条文に「モザイクは◯ピクセル」とは書かれていません。何がわいせつかは判例の積み重ねで判断され、実務の焦点は性器や結合部が映像として判別できるかにあります。つまり法律が求めているのは「モザイクを入れること」ではなく「判別できない状態にすること」。ここを取り違えると、後述する「入れたのに違法」が起きます。
第2層、業界慣行。 数値基準がない世界で実務を回すために、AV業界には審査団体による修正基準の歴史があり、そこで培われた「このくらいの粗さ・この範囲なら問題とされてこなかった」という相場が、事実上のデファクトスタンダードとして機能しています。あなたが見慣れた市販AVのモザイクの濃さは、法律の写しではなく、この業界慣行の産物です。
第3層、プラットフォーム審査。 そしてクリエイターにとっての現実のゲートがここです。myfansには投稿の審査・削除の運用があり、基準を満たさない修正は公開できないか、後から削除されます。プラットフォームは自らが摘発されないために、法律より安全側に基準を引くのが普通です。だから実務の結論はシンプルで、3層のうち一番厳しい層、つまりプラットフォーム基準に合わせておけば、下の2層も自動的に満たされる。逆に「法律的にはギリギリセーフのはず」という攻め方は、審査で落ちる上に、その「ギリギリ」の読み自体が素人判断という二重の危険を抱えます。
「薄すぎると違法」の意味。修正は入れれば済むものではない
タイトルの言葉の意味を正確に書きます。モザイクやぼかしが「一応入っている」ことと、「判別できない状態になっている」ことは別です。薄いぼかし、ブロックの細かすぎるモザイク、半透明の処理、輪郭がはっきり追える修正。これらは、法的評価としては無修正と同じ側に転び得ます。実際、無修正だけでなく「修正が不十分な、いわゆる薄消し」での販売者の摘発例は存在します。「入れてたのに」は通用しません。
判定の実務基準は、これまでの記事と同じ一文に集約されます。一時停止して、拡大して、凝視しても、形状が判別できないこと。 動画の場合はさらに2つ、追尾ズレによる一瞬の外れがないこと(防止運用は入れ方の記事で書いた通りです)、そして暗いシーンを「見えないから」と手抜きしないこと。あなたの編集画面で見えなくても、視聴者側の画面の明度調整で浮かび上がる映像は、修正されていないのと同じです。暗所のシーンこそ、露出を上げた状態で処理と確認をしてください。
落ちる修正・通る修正。境界線のチェックリスト
審査や削除で実際に問題になるパターンを、落ちる側から並べます。
ブロックが細かすぎるモザイク: 遠目には処理済みに見えて、静止・拡大で形が追える。粗さは「もう一段濃く」が常に正解で、濃くしすぎて落ちることはありません
薄がけのぼかし: すりガラス越しに形が分かる状態。ぼかしを使うなら、モザイク以上に強めに
範囲の不足: 対象の中心だけ隠して、輪郭や際が出ている。範囲は対象より2回り大きく、が原則です
一瞬の外れ: 数十分の中の1秒未満でもアウト。書き出し後ファイルでの2周目確認まで含めて処理です
暗所・逆光の未処理: 「映ってないつもり」が明度調整で映っている
通る修正は、この裏返しです。粗く、広く、全編、書き出し後確認まで。そして迷った時の実務の物差しは、自分のジャンルの上位投稿の処理水準より一段濃く。上位アカウントは審査と運用を長期間くぐり抜けてきた「生きた前例」であり、そこより安全側にいる限り、あなたが最初に落ちる側になることはまずありません。
FC2感覚で消える人の共通点。3つの口癖
さて、この基準感覚が最初から壊れている集団がいます。修正の甘い文化圏、代表的にはFC2系の販売文化から来た人たちです。FC2からの移行記事でも触れましたが、消えていく人には共通の口癖が3つあります。
「海外サービスだったから大丈夫だった」。 大丈夫だったのではなく、着手されていなかっただけです。日本国内から販売していれば日本の法律の対象で、FC2関連の摘発例は現に積み上がっています。「みんなやってる」。 みんなやっている場所は、摘発する側から見れば効率のいい漁場です。周囲の甘さは、あなたの安全の根拠になりません。「今まで大丈夫だった」。 無修正・薄消しのリスクは、販売した瞬間に確定して、時間とともに消えずに蓄積します。今日まで無事なことと、明日も無事なことの間には、何の因果関係もありません。
この3つの口癖の共通点は、基準を「捕まるかどうか」に置いていることです。生き残る人は基準を「判別できない状態か」に置いている。前者は運の話で、後者は管理の話。myfansに移ってくるなら、持ち込むのは撮影力と在庫だけにして、この感覚は入口で捨ててください。過去の薄消し作品の扱いに不安がある人は、FAQで触れます。
よくある質問
Q. 乳首にもモザイクは必要ですか? 現在の実務では、修正の対象とされるのは性器・結合部で、女性の乳首は修正なしで流通しているのが一般的です(実際、myfansの上位投稿でも「性器のみ修正・乳首は修正なし」の明記は普通に見られます)。ただしこれは法律の明文ではなく実務の相場なので、最終判断はプラットフォームの基準と運用に従ってください。
Q. イラストやアニメ調の作品なら、修正は不要ですよね? いいえ。わいせつ性の判断は実写に限られず、イラスト・CG作品でも刑法175条の対象になり得ます(摘発例もあります)。「絵だから大丈夫」は、「海外だから大丈夫」と同じ種類の誤解です。
Q. モザイクではなく、黒塗りやスタンプで隠すのはアリですか? 判別できない状態になっていれば、手段は問われません。黒塗り・スタンプ・光の演出、いずれも「完全に隠れていて、全編で外れない」なら機能します。ただし演出系の隠し方は動画での追従が難しく、一瞬外れの事故率が上がるので、確実性ではモザイク・強ぼかしに分があります。
Q. 挿入していない疑似・寸止めの内容なら、修正は薄くてもいいですか? 行為の実態ではなく、映像として何が判別できるかがすべてです。疑似でも性器が判別できれば問題になり、本番でも判別できなければ映像としては基準を満たします。「やってないから薄くていい」という理屈は、判断の物差しが最初から間違っています。
Q. 昔、薄い修正で販売した作品が手元にあります。myfansで売り直せますか? 売り直すなら、現在の基準で再処理してからです。そして過去にその状態で販売した分のリスク評価は、この記事で断定できる話ではないので、不安が具体的にある人は弁護士に相談してください。少なくとも、今日以降の販売分を基準内に揃えることは、今すぐ自分でできます。
まとめ
モザイクの数値基準は法律には書かれておらず、基準は「法律(判別不能か)→業界慣行(デファクトの相場)→プラットフォーム審査(現実のゲート)」の3層で決まっています。実務は一番厳しい層に合わせる。判定は「一時停止・拡大・凝視で判別不能」、動画は「一瞬の外れゼロ」と「暗所の手抜きゼロ」まで含めて。物差しに迷ったら、自分のジャンルの上位投稿より一段濃く。そして「海外だから・みんなやってる・今まで大丈夫だった」の3つの口癖が出たら、それは基準を運に預けているサインです。修正の濃さは表現の妥協ではなく、あなたの営業の適法性の土台(届出まわりは風営法の記事を)であり、長く売り続けるための固定費だと考えてください。
自分の修正水準が基準に対してどの位置にいるのか不安な方、移籍にあたって過去作の再処理の優先順位を整理したい方は、お問い合わせから状況を送ってください。判断の論点整理と、必要なら専門家への繋ぎ方まで含めて答えます。





